そこに立っていたのは受話器を耳にあてたままこちらを見ている優一君。
出口近くにあるレジカウンター横の電話で誰かと話しているようだった。
振り返ったことをすぐに後悔した。
今きっと涙目になってる。
泣き顔を見られたくなくて、あたしは慌てて顔をそらした。
「ちょっ……どこ行くの?」
背後から優一君の声がする。
優一君はなぜか焦っているようで、イライラした口調で電話の向こうの相手と話している。
「だから! その交差点を右だって。おおっ、赤いシェード見えっだろ? 階段降りて……ちょ……萌香チャンっ、待って……」
その声を無視して、あたしはドアを開けた。
ドアが閉じられると同時に優一君の声が途絶えた。
あたしは目の前の階段を駆け上がって、外に出た。
出口近くにあるレジカウンター横の電話で誰かと話しているようだった。
振り返ったことをすぐに後悔した。
今きっと涙目になってる。
泣き顔を見られたくなくて、あたしは慌てて顔をそらした。
「ちょっ……どこ行くの?」
背後から優一君の声がする。
優一君はなぜか焦っているようで、イライラした口調で電話の向こうの相手と話している。
「だから! その交差点を右だって。おおっ、赤いシェード見えっだろ? 階段降りて……ちょ……萌香チャンっ、待って……」
その声を無視して、あたしはドアを開けた。
ドアが閉じられると同時に優一君の声が途絶えた。
あたしは目の前の階段を駆け上がって、外に出た。

