「…か、母さん!」 「あら、明彦じゃないの」 母さんは、オレを見てクスリと微笑む。 「な、何かおかしい?」 「髪、グチャグチャよ」 「い、急いでたんだっ」 オレは、慌てて髪を直す。 「…それはなに?」 母さんは、オレの持つ箱に視線を集める。 「あ、あぁ。ケーキだよ。 母さん喜ぶかなぁって」