いやだ、早くこの感触を消してしまいたい。
「っ…奈緒、あとは、俺に任せて?…その、木下のこと。」
そう言って立ち上がった蓮弥にビックリして顔を上げる
『えっ…任せてって……何、を?』
蓮弥の言ってる意味が分からなかったあたしは蓮弥にあわせて立ち上がった。
「ん?……まぁ、任せとけって。奈緒、俺のこと。怖い?」
『えっ?…蓮弥、のこと?』
なんであたしが蓮弥のことを……?
「ん、だって、木下のこと、怖くて逃げてきたんだろ?」
まぁ、確かに海斗のことが怖かったせいでもあった。
でも……
『ぃや、蓮弥は、怖くないよ。』
180センチ以上ありそうな彼を見上げて、あたしは言葉を続けた
『だって、さっき抱きしめてくれた時、平気だったもん、むしろ、すっごい安心した』
と笑顔で答えた。
その瞬間
『んっ…』
重なり合ったあたしと蓮弥の唇。
それは、あたしのことを考えてくれてたみたいで
軽い触れるだけのキスだった。
「消毒なっ」
と言って少し意地悪な笑顔を見せた
