何をするにもやるにも私は無気力無関心だった。

そんな時、私の元に懐かしい人からメールがきた。

葉子ちゃんからだった。

「香、久しぶり!元気?今度、ご飯でも食べに行こう?」

私は葉子ちゃんと学校帰りに会う事にした。

葉子ちゃんは、男女共学の公立高校に通っていた。

そして、中学を卒業し暫くして、念願叶って、田川くんと付き合い始めた。

葉子ちゃんと会うのは久しぶりだったし、楽しみだった。

「香!久しぶりー?ごめん。佳祐(田川くんの名前)も香に会いたいって来ちゃったけど、良いかな?」

「良いよー!田川くん、久しぶり!」

「おう!矢田久しぶり!元気か?」

「元気だよー。何か二人凄く良い感じだね!嬉しいよー!」

三人でマックに入り、お互いの高校生活の話や中学校の頃の懐かしい話をして盛り上がった。

すると突然、田川くんは私に聞いてきた。

「なぁー矢田!何で矢吹と別れたんだよ?嫌いになったのか?」

「違うよー今でも大好きだよ。」

「え?じゃあ何で?何で矢吹を振ったんだよ?」

「私と一緒にいると俊也は酷い事ばかり言われる。」

「どういう事だよ?」

「…。」

「香?何があったの?」

葉子ちゃんも心配していた。

「私が可愛くないから…矢吹くんに相応しくないから…私と二人で歩いてると、周りの知らない人達が、矢吹くんの事を変わり者だとか私に貢がせてるとか私を次の女が出来るまでの繋ぎにしてる遊び人だとか言うの。」

私は我慢出来なくなり、泣いてしまった。

「香…。」

「私、私の事は何言われても良いんだけど、私のせいで、俊也まで酷い事を言われるのは堪えられないの。あんなに優しくて、純粋で、繊細な俊也を傷付けたくないの。」

「矢田、矢吹がそんな事これっぽっちも気にしてなくてもダメか?」

「うん。嫌!」

「じゃあさ、矢吹がお前と別れて物凄く元気なくて、死にかけてたら?」

「死にかけって…。」

「矢田、矢吹はさ、矢田が思っているよりずっと矢田の事が好きなんだよ。あいつ周りの奴に何言われても何ともねーよ。それよりも矢田と一緒にいてーんだよ。あいつ本当に死にかけだよ。振られてから数日間学校にも行ってなかったみてーだし!な!矢吹?」

「矢吹?どういう事?」

「ごめん。騙してた訳じゃないんだ。矢田、後ろ見てみ!」

「え?」

俊也がいた…。