センチメンタル・ギター

一通り語り弾きが出来るようになった頃

毎月恒例となったCD無料貸し出しの日になった

穂奈美ちゃんからのメール

「最近学校着てないけど生きてる?確認する為に今日伺います。ついでにCDも返すね」


日中の暑さは未だ健在で

そのメールを読むと同時に世界地図が描かれた服を脱ぎ捨てシャワーを浴びる


こもりきった部屋は男子特有の匂いがして

思いっきりアロマを焚く

アレやコレや手を出してた甲斐があったな


程なくして穂奈美ちゃんが家につく

前回貸したCDにご満悦のようで

随分とテンションが高かった


いつものようにラックの前でアレやコレやと漁る

僕はコーヒーを入れタバコを吸いながらそれを眺める


程なくして穂奈美ちゃんが目の前に座る

「この前の小説読んだよ」


『初めての恋を覚えてますか』