センチメンタル・ギター

次の日も沼ちゃんが心配で学校をサボった

都合のいい言い訳だった

誰に言い訳するわけでも無いけど

サボるというのはやっぱり後ろめたい


二日酔いの沼ちゃんの為に

僕はいつものコーヒーを入れる

穂奈美ちゃんに出したカップとは別のカップで


流石に一晩ギターを引き続けて疲れた僕は

コーヒーを飲みながら穂奈美ちゃんに見つかった本を読んでいた

『初めての恋を覚えてますか』

物語の主人公は小さい頃結婚しようと約束をした女の子と結ばれる話

物語の中でしか有り得ないような話

境遇は似ている

小学校、中学校と一緒で高校は別々

そして大学で再び会い結ばれるって話


ひとつ違うところがあるとすれば

主人公はイケメンで

僕は小太り


物語のようにうまくはいかないなぁ