センチメンタル・ギター

―風呂入るの忘れた…―

可愛い豚の目覚まし時計は

短針と長針が重なっていた

しっかりと目覚ましをセットしてたはずなのに

世間ではお昼の時間帯

可愛い豚が憎らしく感じた


風呂に入っていつもの赤いヤカンでお湯を沸かし

ちょっと苦めのコーヒーを入れる


―ぶらぶらと駅でもうろつこう―

今日はさぼるつもりだ

実際は『今日も』なわけだが


駅につくと見慣れた顔が近づいてくる

「っよ、このサボり魔」

沼真一こと沼ちゃん

同じ学部の仲良しの一人


「丁度いいや、買い物付き合って」

一人でぶらぶらするつもりだったけど

友達と一緒に居たほうがいいや


「っじゃ、美味しい店連れてってね」

…これだから貧乏学生は