センチメンタル・ギター

穂奈美ちゃんを駅まで送るまでの道

いつもは自転車で颯爽とすり抜ける道

見慣れた道なのに

穂奈美ちゃんと一緒に歩いて見る景色は

いつもと違って見えた


少し秋めいてきたからか

半そでじゃちょっと寒くなってきた

「寒くねー?」

「なんの為に太ってんのよ」

また笑う

これはこれで美味しいキャラなので

僕は痩せようとしない



明かりに照らされた僕らの街の駅に響く音

ストリートミュージシャン

穂奈美ちゃんは足を止めた


「この歌ね、好きだったの」

流れてるのはゆずの恋の歌謡日って歌

屈みこんで聞いてる穂奈美ちゃん

僕よりも高い身長を命一杯屈めて聞き込んでる姿は

凄く可愛くて、僕はずっと穂奈美ちゃんを見てた