『はい…こんなものしかないけど、ごめんなさいね』

そう言ってちょこんと
俺の正面に座った。

『全然いいよ!傘までいれてもらったのに、ありがとうな』

『いいえ、どおいたしまして』

やっぱ、こいつちっちぇ。

少しの間、恵を眺めていた。

すると、頬をピンクにそめ
うつむいた。

『そんなじろじろみないでくれないかしら?恥ずかしいじゃない』
『えっあぁ、ごめん』


ニコッと微笑んで、すくっと立ち上がった。

『はい…これ良かったら』

小さな手で紙切れを差し出した。
携帯番号とメールアドレス。

『これっ俺に?なんで…』

すごく嬉しかった。

こんな俺に?
この瞬間から君は俺の中で特別な存在になっていました。