【Side由依華】



楽しみにしていた。
すごくドキドキしているなかで、聞こえる。



 「155便12時25分那覇空港行き・・・。」



 聞き慣れた空港アナウンスの、キャビンアテンダントの声。

アタシのチケットとおなじ便。時間。


 「じゃあ、お母さん。先に行ってるね?」


 「いってらっしゃい。気をつけてね!」


 あたし霧島由依華は中学2年。


 いつも通り、冬休みの12月23日~1月6日の14日間、お母さんの出身沖縄に行く。


いつまで経っても乗る前の緊張感は変わらない。


 「いってきまあす」

「由依華!バイバイ」


お母さんとお父さんは7日後に後でくるようになっている。


搭乗口でお母さんと別れ、機内への道を行く。