あの頃のメルは、純粋で誰にも負けないくらい“強がり”だった。


とにかく人前では泣かない


....でも、何故か俺の前ではいつも泣いていた。



『騎士といると安心するの』

そう言って、ふわりと笑う。


それからギュッと俺を抱きしめ、ゆっくりと涙を流すのだ。


その間は、俺も一緒に泣く。


中々、表に出せない悲しみを共有しあう。





・・・・なぁ、メル



何でそんなに強がる?


自分を偽るんだ?



ありのままのメルを見たのは....俺が園を離れた日



この数年間.....何があったんだ?




教えてくれ.....




何で・・・・・人を傷つけるんだ



まだ、俺ならいい



でも・・・・


純恋だけは.......。



あいつは、世界で一番大切な存在なんだよ.....