純恋side



「.....ありがとう、ございます・・・」



「えっ?何でお礼なんて言うのーっ?」



きゃはっ、と可愛らしく笑う如月さん。その笑顔一つで、こちらまでが笑顔になれる様な素敵な笑顔。




『ねぇー何かヤバイらしいよ!?三階のフロアが今、大騒ぎなんだって!!!』


『何それーっ!!』



私達の目の前を二人の女子が過ぎて行った。そして彼女達は早足で三階へと向かって行く。



三階って言ったら...私達の教室があるフロアだ。少しだけ不安を覚えながらも階段を登り教室に入った。




「・・・何....これ?」

喉の奥から絞り出した様な声がこぼれる。


隣にいる如月さんも目を見開き状況が読めてないような様子



私の目の前には何人もの人だかり、そしてその皆の視線の先には・・・。


黒板に、ビッシリと誰かの写真が何百枚と貼ってあった。ここの距離では写真が誰なのかは見えない。


でも、どことなく溢れ出す不安や恐怖は、私の中の危険信号のように思えた。



見ちゃいけない


見ない方がいい


そんなの分かってる、気付いてる。



間違いなく私が傷つくって....知ってる。



それでも・・・私は....