「...これが、今回のスランプの原因...。」
『・・うん、だと思うわ。――はい、それでは、もうやらないといけない事は分かってるでしょう?いくら彼女がいようと『好き』なのには変わらない、その真っ直ぐな想いを伝えるだけ。―――それじゃあ、幸運を祈ってるわ。バイバイ....』
「・・あっ....はい。」
やらないといけない事
そんなの...とっくの前から分かってるよ。
でも・・・・初めから、報われないと分かっている想いを伝えて...何になるの?
ただ、自分が悲しいだけ....―――そうじゃないの?
携帯を握りしめたまま、涙をこらえた。
好きって....気付きたくなかった。
隠してたかったから....心に鍵をかけたのに....
その想いは簡単に見破られるほど...大きく育っていた。
