辺りを見渡して、携帯を探した。騎士にメールをするために....



テーブルの上に寂そうに置いてある私の携帯を開き、騎士にメールを打った。




To.騎士
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これが最後のMISSON

私から離れなさい。



騎士は彼女と幸せに....

今まで、ありがとう

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最後くらい....私なりに告げてもいいよね?


そして、ゆっくり送信ボタンを押した。その音がやけに虚しく響き渡る。部屋にぽつんと取り残された私が酷く幼く思えた。





....何だか眠くなってきた。


突然襲ってきた睡魔に勝てず目を閉じると、線香の香りとたくさんの人がすすり泣く声が聞こえた。

きっと...お葬式だろう、私達の両親と騎士の両親の。



騎士は泣いていた。でも....私は泣いていなかった。皆、泣いてたけど....泣けなかった。


急に「死んだ」なんて言われても....現実を受け止めきれなかったんだ。






私は・・・どうしたらいいのだろう?




ふと、大きな不安が頭をよぎる。



いつも強がってた。強がってないと....自分の汚い所や弱さが出てしまうと思ったから。



騎士に甘えて親に甘えて...何も一人じゃ出来なかった。怖くて辛くて苦しくて...