ある人妻の過去

いったい何通あるの?


私宛ての茶封筒やハガキ。


親展や督促状の文字が見えた。


私はパニックになりながら封筒達を寄せ集め、車に乗せた。


外が真っ暗になってた。


私は、詰め込んだ封筒達を手に取り、中身を確認した。


合計5社から、督促状が届いていた。


間違いなく私宛てに…


私は途方に暮れた。


そしてしばらくして、保育園に取り立ての人が来るようになった。


園長や先生、父兄や園児の前でも構わずに催促をされる。


 「渡辺先生~!
  お金払って
  くださいよ!」


園児は怯え、父兄からの苦情が来るようになった。


そして私は、保育園を辞めた。


その数日後、裕樹が行方不明になった。


会社も辞め、最近買った車と一緒に姿を消していたんだ。


ぽつんと残された私。




死のうか…


ふっとよぎった選択。



だけど、納得いかない状況で、死んでなんかいられない!


絶望が悔しさに変わり、沸々と沸き上がる怒り。