新撰組と鬼の娘



私が泣き止んだのは夕方。


沖田さんはずっと私を抱きしめててくれた。


総「………落ち着いた、かな?」


『はぃ……。ごめんなさい、沖田さん…。着物、いっぱい染みになってしまいました…。』


総「いいんだよ、気にしないで。」


そう言うと、私の瞼にそっと沖田さんの指が触れた。


総「目、真っ赤になっちゃったね。これじゃ、皆の前には行けないね。」


『ぅ……。』


恥ずかしがる私を見て、沖田さんはニコリと笑った。


総「でも、行ってもらわなきゃ困るから、井戸で顔洗ってちょっとしてから行こうか。」


『ありがとうございます、沖田さん。』



私と沖田さんは早速立ち上がった。


総「っと、ちょっと待って!」


ところが沖田さんはまた座って引き出しの中をいじった。


総「あ、あったあった。これ。」


と、手渡されたのは紐。


総「ほら、夜魅ちゃん髪長いでしょ?女物の着物ならそれでいいけど、今男物の着物だから。」


『あ、そうですね…。じゃぁお借りしますね。』


総「あっ、はい。櫛。」


『ありがとうございます。』