新撰組と鬼の娘


そのあと私は沖田さんと一緒に部屋に戻った。


それはさっきまで私が寝ていた所。


『沖田さんのお部屋で寝ていたんですね、私。ごめんなさい。』


総「なんで謝るのさ。」


『えっと…なんででしょう?』


そう言って笑った。


でも沖田さんは笑わず、じっと私を見ていた。


『沖田さん?…私の顔に何かついてますか?』


そう言うと、沖田さんはため息を吐いた。


総「夜魅ちゃんさ、さっきっからずぅっと泣くの我慢してるでしょ?」


『な、何言ってるんですか?』


総「強がりだなぁ。苦しいんでしょ?辛かったんでしょ?泣きたいんでしょ?…僕の前では我慢しないで。」


なんで分かるの…?


私の気持ちが、分かるの…?



総「泣き顔を見られたくないなら――」


そう言って沖田さんが近づいてきた。


と、思ったら目の前には沖田さんの胸元があった。


総「――君が泣き止むまでこうしててあげるよ。」


『そんな……っ。沖田さん、お仕事あるんじゃないですか…?』


総「今日は非番なんだ。―――だから気にしないで。おもいっきり泣きなよ。誰も責めない。」


『沖田さん………。』


総「ほら。遠慮はいらない。」


それから溢れる涙が止まらなくて、涙が枯れるんじゃないかってくらい泣いた。


どうにか止めようとしたけど、全然止まらなくて…。


沖田さんの着物にたくさんの染みをつくってしまった。