『じゃあ、行ってきます!』


勇「あぁ。行ってらっしゃい。総司、ちゃんと守るんだぞ。」


総「わかってますよ。何の為に自分からお願いしたと思ってるんです?」


玄関先で浅葱色の羽織りを羽織った沖田さんの隣で、近藤さんに声をかけた。



総「行くよ、夜魅ちゃん。」


『はい!』




――――――――――――――――


『これが京……。』


私は目の前に広がる風景にただただ驚くばかりだった。


『ここを見回るんですか?』


総「そうだよ。そっか、夜魅ちゃん来た時夜だったもんね。今度非番の時にいろいろ見て回ろうか?」


『ほんとですか?!』


総「うん!約束。」


その時……


男「オラオラ!どけっ!餓鬼ども!」


私はびっくりして肩がビクッと上がった。


『な、何ですか……?今の…。』


総「全く……。今の声聞くと、子供が危ないかもしれない。」


そう言って沖田さんは私の手を引いた。


声のした通りに出ると、2・3人の男が刀を抜いて大声をあげながら歩いている。


周りにはまだ小さい子供達が泣いていた。


私は思わず声を出した。


『貴方達!何しているんですか?!そんな物騒なものしまってください!』