新撰組と鬼の娘


その日、お昼過ぎに沖田さんは巡察で出掛けるらしい。


総「今日は平助が非番らしいから、今日の僕の留守中は平助についてもらうね?」


『はい。』


そう言ってニコッと笑ってみた。



総「……夜魅ちゃん、無自覚なんだね?」


『ぇ?』


な、なんのことだろう…?


平「総司〜?そろそろ時間だぜ?」


と言いながら藤堂さんが入ってきた。


総「うん、今行く。じゃあ平助よろしく。…行ってきます。」


『行ってらっしゃい、沖田さん。』


と、沖田さんはでていった。


ちょっと藤堂さんに申し訳ない気持ちがあった。


『せっかくの休みでしたのに私なんかの面倒で潰してしまって、ごめんなさい……。』


平「いいんだよ。それに、ほったらかしにしたら総司に怒られちまうからな。」


『沖田さんに?』


なんでだろう…?


なんでここで沖田さんが出てくるんだろ?


平「聞いてない?夜魅のこと見つけたの総司だぜ。」


『沖田さんが…?』


平「あぁ。総司が夜の巡察で見つけたらしくて、夜魅のこと抱えて走って戻って来た。」


そうだったんだ…。