新撰組と鬼の娘


『……ん…。』


目を開くと沖田さんの顔があった。


『…沖田、さん…?』


総「大丈夫?うなされてたよ。」


『ぇっ………?』


首を触ると、脂汗が滲んでいた。


『あ……。』


髪も首や頬にくっついている。


総「怖い夢でも見たの?」


そう言って、どこからか持ってきてくれた手ぬぐいで、私の顔や首を拭いてくれた。


『沖田さん………。』


総「ん?」


優しい声で返事をしてくれた。


だからつい、本音がポロッとでた。


『…怖いです……!ック…1人にっ…グスッ……なるのは…。寂しい……!闇に飲まれそうでっ……。』


総「大丈夫、大丈夫だよ。夜魅ちゃん。」


『沖田さん……。私…自分が怖いです……!1人で生きるなら私も……。って考えている私が怖いです…!』


私は布団に横になったまま、目を擦った。


総「……夜魅ちゃんは1人じゃないでしょ?」


そう言って、私が寝ている布団に沖田さんは入って来た。


そして私を抱きしめた。


総「夜魅ちゃんの傍には僕がいるじゃないか。…僕だけじゃない。近藤さんも土方さんもいる。皆がいる。」


『沖田さん………。』


総「僕は夜魅ちゃんを絶対に1人にしないよ。約束する、絶対に。」


沖田さんは私を抱きしめたまま私の頭を撫でた。


総「…きっとまだ、悪夢を見るかもしれない。どんなに苦しい夢でも怖い夢でも、僕が傍にいると思って、僕を呼んでごらん?」


私は沖田さんの、甘く優しい声に眠気を誘われた。


耐えられなくて、瞼を閉じた。


最後に聞こえたのは……。


総「必ず僕が助けに行くよ…。」


という声だった。