新撰組と鬼の娘






………そしてまた、夢を見た。



私は村の皆と鬼ごっこしてて、私が鬼。


何度かやったことのある遊びだ。


すると必ず私が鬼になる。


でも私が負けることはなく、いつも全員を捕まえていた。



…………なのに、今日は走っても走ってもどんなに走っても、皆に追いつけない。


楽しそうに走る皆の背中が遠くなって、1人……また1人と闇に消える。


『皆待って!!』


そう声をかけても、やっぱり1人ずついなくなる。


『待ってっ!!お母さん!お父さん!』


そんな私の叫びも虚しく、ついに私だけになった。


闇の中、1人残された私。


不安が胸を覆い尽くし、私はその場に崩れた。


『私…はっ……!1人…?』


声に出しても、闇に溶けていく。


…このままじゃ、私も闇に紛れてしまう。



これからは1人で孤独に生きなきゃいけないの……?


私のこれからの人生に、光はないの…?



『いや………だぁ…。』


そう呟いた時。


微かに声が聞こえた。


「……大丈夫……。」


誰……?



お母さんじゃない。


お父さんじゃない。



その時、沖田さんの笑った顔が頭に浮かんだ。


「夜魅ちゃん…。」


あぁ、沖田さんの声…。


『沖田さん…!』


そう叫んだとき、目の前が眩しくなって、ギュッと目を閉じた。