何で…何で和之まで残っているの?

「ん?
残業残業。
ノルマまで終わらなかったからね。」

そう言って、椅子から立って私と同じ目線で話してくれる和之。

優しすぎるよっ…

足に力が入らなくて、床にへたり込んでしまった。

「えっ…ちょっ…悠月!?」

「和之っ…私っ…フラれちゃったよ、プロデューサーさんに。
何となく、結婚してるのかなって…カン付いてはいたけど…」

しゃがんで、やっぱり私と同じ目線になって話を聞いてくれる和之。

優しく抱き締めて、

「悠月は、いろいろ抱え込みすぎだって。
ツラいときは…遠慮なく僕に甘えてくれていいからね?」

そう言ってくれた和之の胸で、思い切り泣いた。


和之といると…何か落ち着くなあ。


悠月side〈終〉
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