悠月…ごめんね。

僕、君のこと…全然知らないままだったね。


「ね?
愛花ちゃん。
僕…悠月のこと…
好きでいる資格あるのかな。」


グラスを握りしめながら言うと、グラスに大量の水滴が付いているのを感じた。グラスも…泣いてくれてたのかな?
僕と同じように。


「何かあったの?」


ハミュセコーポレーションの人が来てからのことを知らないらしい愛花ちゃん。
僕のみじめな行動も含めて…全て話した。


「全然みじめじゃないわよ。
そうやって助けたじゃない、悠月のこと。
カッコ良くても、カッコ良くなくても。
ちゃんと悠月は気付いてくれてるはずよ。
和之くんが助けてくれた、ってことをね。」


「そうかな…」


「自信持ってよ。
悠月以外の女の人には随分と積極的なのに…
本命の子になると不器用なのね?
幻滅するわよ?
ほかの社員がそれ知ったら。」


社員にそういうこと…
もう言われ慣れてますよ…

「和之くんなら、大丈夫。 いつもみたいに強気でいってみたら?
ツンデレだし駆け引き上手いんだから、大丈夫よ。」

「ありがとう。」


「いえいえ。
って…あら?
もう会計…済ませておいてくれたのね。
こちらこそありがとう。」

話を聞いてくれたお礼もあるけど…
僕、社員でも彼女でも関係なく、年下の女の子にお財布は出させない主義なんだよね。