僕もあれから仕事に戻ったけど…ノルマに間に合いそうもないから…今日は食事を終えたら残業だな。
悠月のことが気になって、仕事が手につかない。


「和之くん。
…今夜、一緒に食事、どう?
私なら悠月と10年友達だし、大体のことはわかるよ。」


そう…誘いを持ちかけてきたのは…悠月の親友の愛花ちゃん。


「いいよ。
じゃあ行こうか。」


僕と愛花ちゃんは、駅ビルの中にある美味しいと評判のイタリアンレストランの中に入った。
食事が運ばれて来た頃、愛花ちゃんが口を開く。


「悠月はね、小さい頃からパソコンが好きで、大学は情報学学科に進んだんだけど…
そこで祐希に出会って…向こうから告って付き合い始めたんだけどね…
アイツはプログラマー志望で、悠月もそんな感じだったから、最初のほうは上手くいってたんだけど…」


そこで一息ついて、水を飲み干してから話し出す。


「プログラマーなんて嘘。 本当は詐欺師よ。
グラビアモデルのカメラマンを副業でしてるって言って…悠月との行為の最中何枚も写真を撮って…
ネット上に流出させた。」

「大体のところは写真を消せたけど…悠月の父親がプログラマーさんだったからね。
だけどまだまだ…把握しきれていないものもあると思う…
それ以来、悠月はパソコンを怖がるようになって…元々絵が上手かった悠月は、大学を辞めてイラストの専門学校に行ったのよ。」


「そうなのか…
だから…あの男に…
今日も危なかったんだ。
僕があの場で叫んでなかったら…あのまま襲われてたと思う…」