分かるよ。

その声…

ずっと聞きたかったもん。

頬に、ゆっくり涙が伝う。

「泣いてないで、答えて?」

「…雅志。」


「正解。
…よくできました。」


そう言って、私に後ろを向かせてから、そっとキスをしてくれた。


「何で…ここに?」


「約束したじゃん。
1日でも休みがあれば、仕事で疲れててもその足でフランスまで行くって。
ってのが1つ。
もう1つ、フランスのこの動物病院が俺らのとこと提携してるらしく、研修の様子を評価するための人材が欲しいってことで。
俺が行くって行ったんだよ?
そしたら、有給休暇、4日も貰えちゃったよ。」


「雅志っ…大好きっ!!」


「俺も。」


私の大好きな雅志は、やっぱり、優しかったです。
そんな雅志と、一生一緒に生きていくことを、改めて誓いました。


三咲 奈留side〈fin〉