翌朝。

2人同じタイミングで目が覚めた。


「うっ…腰…痛いっ…」


起き上がった瞬間、腰に激痛が走った。


「ごめん。
やりすぎた。
でも…奈留が意外にテクニシャンでビックリしたよ。さすが…日本で2番目の女性獣医師。」


そう言いながら雅志は、私をシャワールームまで連れて行ってくれた。


シャワーを浴び終えて、カーディガンを着る。

そして、必死に鏡とにらめっこしながら、首筋の紅い痕にコンシーラーを塗りたくる。


「よし。」


…大丈夫…かな。


雅志も無事にシャワーを浴び終えたみたいで、
このホテルでの最後の朝食、アメリカンブレックファストを食べて、

世界史の教科書でよく見たヴェルサイユ宮殿に向かう。

庭園と中の装飾は、教科書そのものだった。

パリの空港に向かう途中、病院の皆とかお母さんとかにお土産を買いあさって、昼食を食べてから、行きと同じ飛行機に乗り込んだ。

日本に着いて、2人で家に帰ってからずっと寝ていた。


だって、時差ボケがひどかったんだもん。