Five LOVE☆

いよいよ…大会当日。


「奈留。
頑張れ。
お前なら…絶対いい線いける。
俺が保証するよ。」


「ふふ。
あの子も大分、自信つけてきたみたいね。
特訓始めてから…いろんなことに物怖じしなくなったでしょ?」


「そう…ですね。」


奈留なんて、前まで動物に点滴を挿すのとかすごく怖がっていたのに、
今では普通に作業をこなしている。

すごいよな…


「プライベートではあなたにいくら甘えようが知ったことじゃないけど。
仕事なんだから、貴方にいつも頼ってばかりじゃダメよ。」


まさかオーナー、その性格を改善したいがために奈留をわざわざ…?

やっぱり、オーナーが財閥のトップの娘っていう噂は本当なのかもしれない。
人を見る観察眼がずば抜けている。

着替えを終えた奈留に、オーナーは頑張ってとだけ声を掛けていた。


診察もトリミングも上手くいっていた。
何だか手付きはまだ少しぎこちないが、少しでも犬の魅力を引き出してやるんだという熱意と心意気がこちらにまで伝わってきた。


飼い主とのフリートークはたまに間があって不自然ではあったが、
外人留学生とのトークはバッチリだった。
というのも、本当に偶然、トークの相手が病院で何度か練習をしたドイツ人の学生だった。
その子は、子犬やら獣医師の仕事やらに興味があるらしく、真剣に奈留と会話しながら、診察の様子まで熱心に観察していた子だ。


昨日、その子に
「ドイツへ来て、獣医師になってほしいくらいだよ。可愛いし、教え方上手いし。」

と言われたと、奈留が嬉しそうに話してくれた。


アジリティーは、さすが、奈留になついているココアを使っただけあって、大きなミスはなかった。

参加者の犬のほとんどが暑さも手伝ってバテていた中、ココアだけが、ピンピンしていた。

コーギーは、元々牛を追うための牧畜犬だから、小型な割に大型犬に匹敵する体力を持っているんだよね。

全ての審査が終わり、いよいよ結果発表。