「うちのお兄ちゃん、すっごいシスコンなの!だから、瞬くんに会ったら何するか分かんない…の」


段々と小さくなっていく声に、瞬くんは苦笑しながら、頭をポンポンと撫でた。



「分かったよ。理子がそこまで心配してくれてんなら、お母さんだけでも構わないよ」


「ごめんね?瞬くんは家族の皆に私を紹介してくれたのに…」


申し訳ない気持ちでしゅんと暗くなる。



「俺は理子のその気持ちだけで嬉しいよ。それよりさ、理子ん家で誰かに会うとか緊張する」


ハハッと笑いを浮かべる。


実は瞬くんも何回か家に遊びに来たことがある。


ただ、家族がいない時だけ。


避けていたわけじゃないけど、紹介するタイミングを逃してしまったのは事実。