「嘘つくなって」


「嘘じゃないよ!あっ、瞬くんの家に着いたよ!」


急いで話題を切り替える。


そうしないとずっと意地悪言われるだけだ。


「話し逸らすなよなー」と文句を言いながら、瞬くんは玄関の鍵を開けた。



「あー…、誰もいないや」


「えっ?水結ちゃんも?」


玄関の靴がないことから誰も帰って来てないことが分かったのか、瞬くんは嬉しそうな表情を浮かべた。