その頃



「報告!

ミンの使いが書状を持って参りました!」


王女に告げる。

王女は書状に目を通した。


「何!?」


「虎姫、何と書いてあるんだ?」

ネネが訊く。

「よ、読むぞ?」


『ジパング国、王女殿


此度のことで貴殿には謝らねばなりません

我々は此度の戦争を放棄

及び降伏致します


実は、我々ミン国はシン国より圧力をかけられ仕方なく宣戦布告いたしました


おそらく我々ミン国を囮にしジパング国を攻めるためです


我々ミン国はジパング国と戦争をしても勝てぬと知っております


故に、無駄な争いを避けたく、ジパング国がミン国を攻める前に降伏の書状を送った次第であります


ただ、ジパング国としては簡単には我々ミン国を許せぬお心持ちと存じます


これは、その引き換えというわけではございませんが、


我々ミン国は貴殿のジパング国と同盟を組み

また、平和条約を結び


亜人種族との共存に尽力致します


聡明なジパング国の貴殿にはご理解をいただきたい



ミン国、国王』



王女が読み終えた。


「ふざけるな!

囮!?


では、幸大は今…」

ネネが言う。


「マジかよ?

陛下!

こんななめた真似をしやがるんだ、今すぐミンを潰しましょう!」

ベンケイが言う。