「幸大。」

ネネが部屋に入ってくる。


「ネネか、どうした?」


「お前が悩むなど珍しいからな。

様子を見に来ただけだ。」

「わざわざ。悪いな。

どうせなら何か手土産でもあったら良かったんだが?」

「…。

お前はいつもそうだ。

おちゃらけた素振り。

なのに、心ではとんでもないことを考えている。」


「いや、考え過ぎだ。

俺はもっと軽い人間だ。」


「何を考えている。」

「だから何も…」

「止めろ!

頼む、私を欺くな。」

目に涙を浮かべる。


「何泣いてんだ?」


「泣いていない!」

「…。」

「解るんだ。

お前が何を考えているか。



貴様は何か考えている。

それは、おそらく誰もが止めるようなことだ。

違うか?」


「半分、だ。


俺は迷ってんだ。」

「何を、だ?」


「死ぬのが怖い。」

「今さらか?

お前は何度か戦っているだろう?

なのに、今さら何を…」


「一人で死ぬのが怖いんだ。」


「一人で…

やはり、そう言うことか。

幸大、私は許さんぞ!」


「ネネ…」


「一人で戦うつもりか!

どうやって大軍を相手に…」


「違う。


俺はシンを潰す。


だから、ジパングの兵力は全てミンに向けてもらう。」