「幸大、妾はどうすれば良い?


どうすれば、皆を救える!」


王女が言う。


「戦うしかないだろ。

逃げれば背中から殺される。


戦えば前から殺される。


逃げれば、死か、敗走。

だが、戦えばそこにあるのは敗北か、勝利か。


俺なら間違いなく勝利に賭けてみる。」



「…。

大臣よ、皆に伝えよ。

戦闘準備をせよ、と。」



大臣達が一斉に謁見の間から出ていく。

「陛下!


貴方は先ほどの言葉とは違う行為を?」

クーメルが言う。

「…どういうことだ?」

ネネが訊く。


「教えてあげましょう。」

「止めろ、クーメル!」

王女の制止を無視してクーメルが言う。



「陛下は先ほど、貴様ら人間を追放すると決断したんだ!」


「クーメル!」





「…そうか。」

幸大が言う。

「違う!

一度はそう考えてはしまった!

しかし、幸大達が部屋で話してるのを聞いて、私はやはり追放したくないと思ったのだ!

頼む!

これからもこの国に、」


「そんな都合の良いことを抜かすのか、虎姫。」

ネネが言う。


「…。」