「ちなみに、触って良いか?」

「え?」

「その耳と尻尾。」


「す、少しだけなら。」

「では。失礼します。」


ふにっ、

「おお!」

ふにっ、ふにっ、

「ひゃうっ!」

「あ、悪い。

触り過ぎたか?」

「い、いえ。」

「あんたの、犬耳か。」

「はい。」

「ちなみに、あの王女様は猫耳?」


ガタッ、

王女が立ち上がる。


「貴様!

この高貴なる、虎の耳、虎の尻尾を持つ妾に向かって猫耳だと!」


「あ、悪い。

ってか、虎も猫科だろ。」

「な!?

なんたる無礼!」


「悪かった!

いや、この国のことよく解らないんだから、多少の無礼は許してくれ。」


「…。

よかろう。

しかし、同じ過ちを繰り返すなら、貴様の首を切り落とす。」


「…気をつけます。

で、王女様、名前は?」


「はっ、まずは先に己の名を名乗るのが先であろう?」

「そういや、そうだな。

俺は幸大だ。」


「それで良い。

妾はジパング、八代王女、ヒミコだ。」


「…ヒミコ?

…。

ジパングとかヒミコとか、偶然か?」


「何のことを申している?」

「いや、何でもない。

ちなみに、お前は?」

少女に訊く。


「私は、この城の雑用と王女様のお付きをしています、

イヨ

と言います。」


「へぇ…

マジかよ。」