「なぜ、ここに!?」

「こいつに訊きな。」

「クノイチ!」

「どうも。

こんなところにいる場合ではないと解ってますよね、ネネ様?」


「ジパングは亜人種を助けに来たんじゃないのか!?」

「そう、声をあらげるな。

亜人種を助けに来たのはジパングの奴等。


お前を助けに来たのは、俺とクノイチだ。」


「…、貴様らは馬鹿か。

一応、礼は言っておく。」


「お前らは何者なんだ!」

亜人種の一人が言う。


「俺か?

俺はジパングの勇者、だ。」

「何だと!?

人間ではないか!」


「だが、事実だ。」

ネネが言う。

「幸大さん、鍵が見当たりません。」

クノイチが辺りを見ながら言う。

「ネネ、鍵の在処は知ってるか?」

「看守が持っているが、そいつも戦闘準備に行った。」


「…それは困ったことになりましたね。


どうしましょうか?」


「鍵なんか要らん。

千変万化。」

千変万化が刀になる。


ヒュパッ、


鉄格子を斬る。

「ネネ、動くなよ?」

ヒュパッ、

ジャラッ、

ネネの腕の手枷と鎖を斬る。


「貴様!

少しずれていたら私の手首も斬れていたぞ!」

「斬れてなくてよかったな。

…さて、」