翌日


「良いか、攻めるのは罪人砦!

囚われの身である仲間を救う!


全軍、進め!」



一斉に動き出す。


「では、私達も行きましょう。」

「ああ。」


幸大とクノイチが別経路から進軍する。




一方、罪人砦


「我々もやがて殺されるだろうな。」

亜人種の一人が言う。

「そうだろう。

我々の居城も我々が捕まった時には門が突破されている。

王女様だけでも逃げていれば…」


「その心配はない。」


両手を手枷で繋がれ、天井に繋がれた姿のネネが言う。

「貴様、何かを知っているのか!?」

「ああ。」

「教え…」

「待て!

あいつはワコクの者。

我々を惑わすための作戦かもしれん。」


「フッ。」

ネネが鼻で笑う。

「私が従順なワコクの者ならばここに繋がれているのはおかしいとは思わんのか?」

「…確かに。」

「信じるかは貴様らが決めろ。

私が言うことは真実だがな。



ジパングには勇者が召喚され、王女を含め多くの兵士が生きている。

大臣どもは半数以上死んだと聞いた。」


「…、信じられん。」

「信じるかは好きにしろ。


まぁ、貴様らがこの砦にいるとジパングが知れば、すぐにでも貴様らを助けに来るだろうな。」