「この前の時、俺が渡したやつか。」

「ああ。

だが、洗って返そうと思ったのだが、

色が薄くなった。」

「ああ、確かに色物だからな。

色落ちするな。」


「借りもロクに返せずにすまなかった。」

「そんなのは気持ちの問題だろ?

まぁ、あんまり長く話してはいられない。

さっさと帰れ。」

「私を逃がすのか?」

「ああ。

そうだな…いつか、まともに借りを返せるようになったら捕えてやるよ。」


「貴様に捕えられる前に貴様を斬り伏せる。


…では。

また、だ。」



ネネが反転し走っていった。


「幸大、逃がしたのか?」

ベンケイがやって来る。

「ああ。まぁな。」


「まぁ、何か考えがあるかは知らんが、取り敢えず帰ろうぜ。」


「だな。

かなり早くケリが着いたしな。」