幸大は光の中に入る。


「覚悟してても、辛いもんだな。」


幸大は剣を握りしめた。




ジパング



ゴウッ、


幸大は召喚された。


「ここは?」

「おお!

勇者だ!」

皆が驚く。



奥の椅子に座っていた王女が幸大に近づく。


「貴様、剣は一本か?」


「そうだけど?」

「…失敗か。」


「何のことだ?」


「私が説明します。」

少女が前に出る。


「この国はジパングと言います。

この国は今、戦争をしています。


すでに敵はこの城の近くまで来ています。


そこに予言が。

双剣の男が勇者だと言う内容です。」



「で、俺は剣を一本しか持っていない、か。」


「そうです。」

「ちなみに、戦争の原因は何だ?」


「これです。」

少女は耳を指差し、尻尾を振る。


「それは、本物か?」


「はい。

亜人種と呼ばれる我々は耳と尻尾が獣と同じくあります。


人間は動物を愛玩する習性があります。


しかし、我々は人間でもある。


愛玩などではない扱いを受けます。


奴隷として。

人間の性的なモノにも、です。」

「それに対抗するために国を立ち上げたが戦争で負けそうってことか?」


「いえ、この国は、人間と亜人種が平等に交流できるために立ち上げられた国です。

ですが、人間は解ってくれない。

この国を滅ぼすことでこの国の者を捕え、亜人種を奴隷として売るつもりなんです。」