翌日


謁見の間


「俺まで軍議に参加して良いのか?」


謁見の間にはベンケイと王女しかいなかった。

「残ってる大臣達は皆、政治が基本でな。

数人は逃げ出してしまった。


妾の統率力が及ばなかった。


軍議は実際に戦場に立つ者の意見を取り入れねばな。


さっそく始めるが、今回は騎馬隊による突撃に対しての策だ。

何か意見はあるか?」


「やっぱ、馬用の柵を建てて突撃を防ぐのが一番だと思いますぜ?」

ベンケイが王女に言う。


「…しかし、ここは目の前が小高い丘。

勢いのある馬が坂の下りを利用し飛び越えるかもしれん。


それに、もし敵がすぐに来た時には柵を建てる暇がない。」


「…確かに。」

「騎馬隊の人数を増やしておるなら、二三日で来るだろう。

柵はそれほど早くは作れない。」


「陛下、俺は頭を使うんが苦手なんであてにしないでください。」

ベンケイが肩をすくめる。

「…。」

幸大が考えこむ。

「幸大、何か策があるのか?」


「一応、俺の世界で昔あった戦法だ。」


「申してみよ。」


「鉄砲で迎え撃つ。」

「鉄砲?

それは不可能だ。

火縄銃は一発撃つのに30秒。

鉄砲を構えて撃つまでに突破されてしまう。」

「いや、できるさ。

ちょっと聞きたいが鉄砲の数は?」