『朱里(あかり)…』





大好きな人の声が聞こえる





男性特有の、低く…そして優しさを含んだ甘い声





名前を呼ばれる…たったそれだけの事なのに、胸がドキドキして…苦しくなって…





どうしようもなく…切なくなる





『朱里…』





不意に後ろから抱き締められ、抱き寄せられる





包み込むように優しく…でも力強く…まるで“離さない”と言われているかのように





『朱里…愛してる』





耳元で囁かれる言葉





その声が直接耳を通り抜け、鼓膜を揺らし、脳髄を刺激して体全体に甘く響き渡った