「ところで貴方、
前に会った事あった?」
そんな問いかけに、意識が浮上する。
目を開けると、
俺と同じく片腕が無い、
そして片足も見えない少女が
半ば這うように俺の前に来ていた。
そういえば、彼女の鎖は
俺に着けられた物よりだいぶ長い。
多分、ここで暮らしているのだから
ある程度の自由を考えての事だろう。
「……判らないな」
同じ不死身の、少女にあった事はある。
だけど大抵が若いままの人間だったから、
みんな少女か少年か、青年辺り。
それも全員、随分昔の話だから、
顔も声も、名前すらも忘れてしまっている
だから、会った事があるかもしれないが
『判らない』になってしまう。
「そう。
何か見覚えのある気がしたんだけど。
まあ、別にどっちでもいいわ」
それよりも、と、
彼女は俺の背後の棚を指さした。



