街を覗きに来る前に、
車のあるであろう場所へ向かった。
俺が降りた場所には居なかったけど、
地面に残されたタイヤの跡を追ってみた。
その先にあったのは、
フロントガラスにひびと穴。
半分以上開いている窓ガラスも、
何故か割れて、横幅も半分になっている。
さらには車体にへこみもあって、
無残な状態の愛車が止まっていた。
車だけ。
ジュンの姿はそこには無かった。
キーは刺さったままで、
周りに人がいないのを確かめ、
エンジンをかけてみた。
ちょっと心配したけど、
内部に異常はないみたいだ。
エンジンを切り、キーは抜いた。
ふと地面を見てみると、
ジュンの着ていたジャケットの袖が落ちていた。
切断面には、血液が付着している。
……予感の通り、
何か嫌な事態になっているらしい。
ただ殺そうとしたなら、
わざわざ腕を切り落とすだろうか?
しかも、こんな場所で。
さっき少女から聞いた話を思い出す。
この街には、彼と同じ体質の人間が居る。
不死身である事に気づかれたなら、
恐らく、同じように利用されるだろう。



