「だから街の人から逃げていたんだね?」
彼女の話を聞き、
そう尋ねると、こくりと頷いた。
「そう。
本当は助けに行きたいけど、
だけど、でも……」
どうにも出来ないと、彼女は嘆く。
「それなら、協力したげよっか?
……何か銃声とか聞こえたしさ、
俺の方も嫌な感じしかしないんだよね」
銃声と、ガラスの割れる音。
方向はさっきまで俺のいた、
つまりはジュンが待っている方。
声も聞こえたけれど、
誰が何を話しているかまでは聞こえない。
ただ、人がいるのが解ったぐらいだ。
「……銃声?聞こえた?」
この子には聞こえなかったんだろうか。
不思議そうに俺を見ている。
そうしてハッとしたように目を見開き、
一歩後ろへ後ずさった。
「まさか、あなたも……」
「ゾンビだけど、安心して。
君を襲うつもりは無いよ」
両手を肩の高さに上げ、安全アピール。
「俺はたった一人しか、
食べる気は無いから」
そう言って笑いかけると、
信用してくれたのか彼女は一歩戻ってきた。



