意識の無いらしい男は、私の近くに繋がれた。


「……彼は?」

連れてきた男に尋ねる。


「あなたと同じですよ」

それだけ言って、扉は閉められた。



私と同じ。

それはつまり、不死身という事だろうか。

もしかすると、以前に会った、
数人の内の1人だったかもしれない。

なんせ100年以上も昔の事だ。

交わした会話は覚えていても、
1人1人の顔なんて、覚えていない。

だけど濃い色の髪の人間は、
確かに1人、居た気がした。



とりあえずは、
彼が目を覚ますのを待とうか。