私は頷いた。 もしかすると、 ここへ来てくれるかもしれない。 何よりも、私を選んでくれるかもしれない そんな事を思っていたのかもしれない。 だけど、どこかでは 逃げて、生きて欲しいと。 煮え切らない考えで頷いた。 そうして微かな期待で待っていると、 何かの時間でも無いのに、扉が開けられた 彼女か、それとも、 何か、嫌な知らせだろうか。 強い光の方を見ると、 浮かび上がってきたのは男と、 その人物に抱えられている、誰か。 ……何処かで見たような、男だった。