隣街の様子がおかしい。
そう気が付いた時には、もう遅く、
世界中には不死者が溢れかえっていた。
この街も、例外無く。
死人が生まれ変わり、
そして人々を喰らう。
ずっと昔に聞いた、遠くの街の出来事。
それが、世界中で起こっていた。
自称心優しき住民たちは、
自分たちを犠牲にする事も、
旅人を手に掛ける事も出来なかった。
かと言って、
変化を遂げた彼らを死なす事も。
誰にも、出来なかった。
しかしこの街は、他とは違う。
決して死なない、私が居たから。
病人の為に人を殺した
あの頃から、どうしてこんなにも
人々は変わっているんだろう。
そんな事を考えながら、
私は彼らに食事を与えていた。
ただ、仕事が増えただけだ。
そんな風に私は思っていた。
だけど彼女は、言った。



