再び街中に死が蔓延し、
無事だったのは、私1人だけ。
何故か病に罹らなかった私は、
もちろん人々に食べられた。
だけど誰かの恩情で、
とりあえずは手足だけ。
きっと死んでから、
みんな私を食べるつもり。
そう思って、覚める事はないだろう
眠りについた、その翌朝。
不思議な事に、手足は元通り。
生えていたのよ。
4本とも。
部屋から出てきた私の姿に、
両親は驚き、しかし喜んだ。
そうしてまた、
私の一部は誰かの体内へ。
多くの人間の命を救った。
だけど私は、決して死なない。
数年経つ頃には、
歳も取らない事が解って、
不老不死なんだと、理解した。
50年も経つ頃には、神の子と。
それから100年も経てば、
いつの間にか神へと格が上がっていた。