結歌のことしか見えていない親でも、 親としての責任は果たしてくれていた。 小学校の卒業式も、 塾の説明会も、 中学校の入学式も、 全部ちゃんと来てくれていた。 感謝しなければいけないのは、 よく分かってる。 でも、 二人の頭には、 結歌のことしかないじゃない。 こうなったら、 二人の、いや、もっとたくさんの人の 印象に残るようなことをしてやる。 自分の夢なんて、どうでもいい。 ただ、 ただ、他の人の記憶に残っていたい。