『明日、
会えないかな?』

数日経った、
ある土曜日のこと。

「うん。大丈夫」

『お昼頃
家まで迎えに行くよ』

「T駅まで出てくるよ
そのほうが
近いでしょ?」

『うん、助かる。
駅に着いたら連絡して
迎えに行くから』

どこに行くかなんて
決まってない。

ただ、
雅也との時間を
大切にしようって
思った。

私にはもったいないけど
雅也が想ってくれる以上
応えないわけにはいかない

私なりに
雅也という人を
想ってみようって
そう決めた。

だから私は電話した。

「ヒデ?今から
飲みに行かない?」

ヒデと本当の意味で
サヨナラするために。

『…おう。
いつもの店でな』

多分、ヒデも何かを
悟ったようだった。

私は準備をし
家を出た。