――― 黒く深い闇がどこまでも続く世界。

永遠に続く退屈な時間の中、男はため息をもらした。
「はぁー。暇すぎる。暇すぎて、腐っちまいそうだ。」
男は考えた。
この退屈な時間から、脱け出す方法を。
娯楽と呼べるものが、何一つないこの世界から、脱け出す方法を。

「あっ!そうだ。」

男は、一つの考えにたどり着いた。

「現世に落りればいいんだ♪」


男は鼻歌を歌いながら、闇の切れ間にできた穴めがけて、飛び込んだ…。