声を出して笑った。


久しぶりに、麗は本当の笑顔で笑った気がしていた。


「麗、俺レンタカー借りて来てるんだけど、乗るか?嫌なら、近くでもいいし~」


「え~っ!透免許取ったんだ。透の運転…!?どうしようかな~」

麗は無邪気に笑ってみせた。透はそんな麗を微笑ながら見ていた。

ちょっと恥ずかしくなった麗は


「ごめん…冗談…」


「あっ…俺麗の笑顔好きだったから…可愛くて……じゃあ行くか」

少し歩いた路地に車は止めてあった。透は、助手席のドアを開けて麗を乗せた……


昔と変わらない優しさに癒されていた。


車を少し走らせたところで透が


「麗、このまま少しドライブしようか」


と、中学の方向に走らせた。思い出の道、思い出の公園、透とこんなふうに見るなんて、思ってもいなかった。

「透、こっちにはいつまでいられるの?」


「今回は明後日帰るけど、こっちにも支店ができる事になって、来月から半年位は、会社の管理するマンションに、一人暮らし~」


思いがけない返事がかえってきた。